リフト券の値上げが珍しくなくなった今、「昨季の料金を据え置く」という知らせは、雪山に通う人には素直にうれしい。ただ、私が八千穂高原スキー場の発表でさらに気になったのは、その後に続く話だ。雪をつくるための水の確保、圧雪車の増車、駐車場の除雪体制。価格を維持しながら、滑る一日の土台にも手を入れるという。
長野県佐久穂町の八千穂高原スキー場は、2026-27シーズンのリフト料金を昨シーズンから据え置くと発表した。オープン予定は11月30日。予定どおりなら、春は4月4日まで営業し、その後も雪が残る限り金・土・日曜の延長営業で4月中旬ごろまでを目指す。いずれも積雪や天候で変わるため、出かける前には公式サイトで最新情報を確かめたい。
料金を据え置いて、滑れる日を伸ばす
一日券の価格は、家族や仲間で行き先を決めるときの大きな要素だ。今回の発表は単なる「値上げしません」で終わらない。11月末から春まで、なるべく長く、なるべく良い雪で滑れるように準備する。利用者にとっては、払う金額と、その一日で得られる滑走時間の両方に関わる話である。
標高1,830メートルという環境を生かしつつ、天然雪を待つだけでなく、冷え込んだ機会を逃さず人工降雪機を動かす方針だという。早い時期のゲレンデづくりには気温だけでなく、必要な水を安定して供給できるかが効く。スキー場は取水設備の改造や給水配管に投資し、上流からの取水量と供給能力の向上を図った。


朝の一本と、駐車場までを整える
今季は圧雪車を新たに1台導入する。人工降雪でつくった雪をどう整えるかは、実際の滑り心地に直結する。私なら、オープン日の数字だけでなく、朝のゲレンデの仕上がりを楽しみにしたい。発表ではゲレンデ拡幅にも触れており、コース環境の改善を進めるという。

もう一つ、利用者には地味に見えて重要なのが大型ホイールローダーだ。従来の小型車両と合わせて2台体制とし、駐車場や施設周辺の除雪を効率化する。雪が降った朝、車を停めて支度を始められるまでの時間も、雪山の体験の一部だ。滑る場所だけに投資しているわけではない。

どんな一日にするか、選べる山
施設案内によると、リフトは4基、コースは8本。2種類のパーク、2カ所のこぶ専用コース、FREEポール、ツリーコースもある。圧雪された斜面を繰り返す日も、パークやこぶに挑む日も組み立てられる。もちろん各エリアの開放状況は雪と整備の進み方次第。特に初滑りや春は、当日のコース情報を確認したい。
料金の据え置きはありがたい。そこに「滑れる期間」と「ゲレンデの質」、さらに雪の日のアクセスを支える投資が加われば、選ぶ理由は厚くなる。八千穂高原の2026-27シーズンは、価格表の数字だけでは測れない一日をどう届けるか。その仕上がりを見てみたい。

営業予定:2026年11月30日オープン、2027年4月4日まで通常営業予定。以降は雪が残る限り4月中旬ごろまで毎週金・土・日曜に延長営業予定。天候・積雪などにより変更されます。リフト料金の券種・金額、営業状況は八千穂高原スキー場公式サイトでご確認ください。
資料・画像:アドバンス株式会社「物価高でも『リフト料金据え置き』!でも設備投資は惜しみません!」(PR TIMES、2026年9月30日)。本文は発表内容をもとに峰山直の視点で構成しました。


