朝一番、最高の雪が待っている。それなのに、到着後はチケット売り場の長い列へ――。スキー場にとって「人手不足」と「お客様の待ち時間」は、別々ではなく同じ課題の表裏です。Axess Japanが紹介した多機能自動券売機とタッチレススマホリフト券は、この冬の当たり前を変える可能性を持っています。
Axess Japanは2026年6月、スキー場向けの多機能自動券売機「Axess TICKET KIOSK 600」と、スマートフォンだけでリフトゲートを通過できる「AX500 Smart Gate NG BLE」を紹介するオンラインセミナーを開催しました。セミナー自体は終了していますが、取り上げられた仕組みは、これからのスキー場経営を考えるうえで非常に興味深いものです。

「リフト券を買う時間」は、雪山体験の一部になっている
お客様にとってスキー場で過ごせる時間は限られています。駐車場から荷物を運び、着替え、レンタルを受け取り、チケットを購入し、ようやくリフトへ。混雑日には、滑り始める前だけで疲れてしまうこともあります。
リフト券売り場の列が30分短くなったら、その30分は何に変わるでしょうか?
もう一本多く滑れる時間、子どもとゆっくり準備する時間、レストランで過ごす時間、あるいは「また来たい」と思える余裕に変わります。効率化は単なる省力化ではなく、雪山で使える時間をお客様へ返すことでもあります。
一方の現場では、券種や割引の説明、決済、オンライン購入券の引き換え、ICカードの返却、保証金の精算など、多くの業務が窓口へ集中します。スタッフが足りないと列が延び、列が延びると問い合わせが増え、さらに現場が忙しくなる。この循環をどこで断ち切るかが課題です。
従来の来場動線はどう変わる?
すべてのお客様を一度にデジタルへ移すのではなく、スマホで完結したい人、自動券売機を使いたい人、有人窓口のサポートが必要な人に導線を分けることがポイントです。セルフ化によって窓口をゼロにするのではなく、スタッフが本当にサポートを必要とする人へ時間を使える状態をつくります。
2つの仕組みを分かりやすく解説
- 現金・クレジットカード・電子マネー・QRコード決済
- リフト券購入、オンライン券の引き換え
- ICカードへのチャージ
- ICカード返却と保証金返金
- QRコード券、割引、クーポン、多言語に対応
- 必要な機能を選べるモジュール構成
- スマホをウェアのポケットに入れたまま通過
- 購入後に窓口や引換機へ立ち寄る工程を削減
- 従来のICカードとの併用が可能
- 既存のAxessゲートは追加パーツで対応できる場合がある
- ICカードの発行・回収・保証金返金の負担を抑制

一般のお客様にとって何が変わるのか
便利さの鍵は「タッチレスだから新しい」ことではなく、お客様が迷わず使えることです。購入画面の分かりやすさ、通信環境、アプリの事前案内、現地サイン、トラブル時のサポートまで整って、初めて快適な体験になります。

経営側の価値は「人を減らす」だけではない
定型的な処理を機械へ移し、人にしかできない案内、安全確認、トラブル対応、接客へスタッフを振り向けることです。
自動化によって期待されるのは、繁忙時間の窓口負担軽減、営業時間の柔軟化、ICカード関連コストの抑制、外国語対応の補完などです。採用が難しい地域ほど、限られたスタッフをどこへ配置するかという経営判断が重要になります。
ただし、導入しただけで人手不足が解決するわけではありません。現金を使いたい人、スマートフォン操作が苦手な人、家族・団体・割引券など複雑な購入条件を持つ人もいます。既存業務をそのまま機械へ置き換えるのではなく、券種、価格、販売チャネル、案内方法を一緒に整理する必要があります。
チケットシステムが集客・マーケティングにもつながる理由
発券とゲートが連携すると、購入者情報、売れた券種、販売チャネル、利用日時、大まかな滞在傾向などを捉えやすくなります。これらは単なる売上集計ではなく、次の施策を考える材料になります。
| 見える情報 | 考えられる活用例 |
|---|---|
| 購入時期 | 早期購入特典や直前需要に合わせた案内 |
| よく売れる券種 | 時間券、ファミリー券、平日券などの商品改善 |
| 販売チャネル | オンライン・券売機・窓口の適切な配置 |
| 利用時間帯 | スタッフ配置、飲食店営業時間、ナイター施策の検討 |
| 来場履歴 | 再来場を促す情報提供やシーズン券提案 |
大切なのは、データを集めること自体を目的にしないことです。「誰に、どんな冬の過ごし方を提案したいか」を先に決め、必要なデータだけを安全かつ適切に扱うことが求められます。個人情報の取得目的や利用範囲を明確にし、同意、保管、アクセス権限などの運用も欠かせません。
導入を検討する際に確認したいこと
- ピーク分析:いつ、どの業務に、どれだけ列ができているか
- 対象範囲:購入・引換・返却・ゲートのどこから変えるか
- 通信と電源:降雪・低温環境を含め安定運用できるか
- 既存システム:オンライン販売、会計、ゲート、レンタルとの連携
- 例外対応:スマホ電池切れ、通信不良、誤購入、団体・割引対応
- 案内設計:来場前メール、駐車場からのサイン、多言語表示
- 費用対効果:機器費だけでなく保守、決済、カード、スタッフ時間を含めて比較
スキー場DXは、お客様と現場の両方を楽にするために
一般のお客様から見ると、チケットは滑るための入口です。経営側から見ると、売上、顧客情報、スタッフ配置、ゲート管理をつなぐ重要な基盤です。その両方を一つの仕組みで改善できるところに、今回のソリューションの面白さがあります。
日本のスキー場には、大規模リゾートから地域密着型の小規模施設まで、異なる運営条件があります。すべてを一度にデジタル化する必要はありません。最も混雑し、最もスタッフが疲弊し、最もお客様が困っている場所から小さく変える。その積み重ねが、持続可能な運営と「また来たい」と思える雪山体験につながります。
省人化は、サービスを薄くするためではなく、人の力を必要な場所へ戻すための手段です。テクノロジーによってスタッフにもお客様にも余裕が生まれるなら、それはスキー場産業を次の時代へ進める確かなアップデートになるのではないでしょうか。
出典・画像提供:Axess Japan株式会社「【6/25無料ウェビナー】スキー場の人手不足解消とスノーヤーの満足度向上を支援するAxessのソリューションのご紹介」(PR TIMES、2026年6月11日)、Axess公式製品ページ。
※紹介されたオンラインセミナーは2026年6月25日に終了しています。本記事はプレスリリースおよび公式製品情報をもとに、SNOW MAKING編集部が独自に構成・要約・解説したもので、転載記事や導入効果を保証する記事ではありません。掲載画像はプレスリリースの報道用ダウンロード素材を使用し、提供元を明記しています。情報は2026年9月22日時点です。

